【ネタバレ】真夜中の映画考察『無無眠』(蔡明亮 監督、安藤正信主演 2015年作品)


【ネタバレ】真夜中の映画考察『無無眠』(蔡明亮 監督、安藤正信主演 2015年作品)


2015大师微电影《无无眠》 NO NO SLEEP tsai ming-liang


最初は、安藤くんのフルヌードが観れる、ただそれだけの下心丸出しの理由でこの作品を観ていたのですが、

ふと、何故に安藤くんはこの映画に出ようと思ったのだろうと。

ちょっとした僕の経験から、もしかしたらと思い、それを踏まえてこのよくわからん映画のストーリーを考察してみようと、こんな真夜中に思い立ちましてん。

ということで、今度は、ただ安藤くんのカラダだけを拝むだけだなく、ちゃんとじっくり観ました。あはは。


僕の見解から考えるに、この映画は一見前衛的で意味不明な場面が多く感じるのですが、

単純に『救済』がテーマなのではないかと思うのです。


ここからはネタバレ注意。









行者さんはこの世の存在ではない。神から仰せ使ったのかどうかは不明ですが、悲しみを持った人の負のエネルギーを感知して、その悲しみを取り除く役目を持った人。

そして行者さんは、ただ悲しみのエネルギーだけを頼りに歩いてる。辿り着いた場所も大崎のカプセルホテルだというのも知らないかもしれない。

ただそこに深い深い悲しみのエネルギーがある、それだけを感じて、安藤くんの元に行き、彼を悲しみから救うためにやってきた使者。


カラダを洗う安藤くんは、もー個人的には歓喜乱舞のシーンですがw

改めて観ると彼はどこか思い詰めている。

執拗に手と足の指を洗うという、ちょっと不自然な洗い方。

何かを洗い落とそうとしてるかのよう。

肉体労働か何かをしている人なのか。


そして、湯船のシーンで行者さんと隣り合わせになりますが、どうしても安藤くんの半ムケに魅せられてしまい、あーもーこれだけでご飯三杯は軽くイケちゃいそうで軽く一時停止してみたり。笑

いやいやちゃんと見ないと。なぜならココからがこの作品の一番のポイントなもんでw


シーンを良く観ると、安藤くんが湯船に浸かると、行者さんの様子が少し不穏になります。そしてどこか苦しそうな顔をし始めるのです。

その時、隣にいる安藤くんは、上を見上げなから泣いている。そして悲しみを振り切るかのようにお湯の中に顔を突っ込む。

そしてまた悲しみに暮れている。


この間2人はお互いの姿形はみえていないはず。

行者さんは安藤くんの方を一瞥しますが、安藤くんをというより、悲しみのエネルギー自体を感知したかの様子に見えます。


その後のサウナのシーンで、苦しそうな行者さんがある時、目を開けて安堵するかのような表情になりました。安藤くんはカプセルベットでくつろいでいる。

この時に安藤くんの悲しみは行者さんによって吸い取られ、デトックスが済んだのではないでしょうか。


お風呂は体の汚れを落とすデトックスの場所ですが、実は心のデトックスもできる場所。

湯船に浸かりながらムカつく感情をコンコンと思い続けた後、スパッとお湯から上がると頭がスッキリするんです。

「ふざけんな」みたいな怒りから「どうせオレなんて…」みたいな自責の感情まで、自分の中にあるネガティブなものをお湯やサウナに入りながら考えてると、怒りのエネルギーは熱で消えていくようで、そのうちに負の感情が消えてゆく。

そしたら一回お湯から出てみると頭の中がスッキリしてるのに気付きます。

ただ、お湯から上がった瞬間立ちくらみが起きるので、結構なショック療法みたいw

なので体調なども考えるとあまりオススメはしません。あはは。


このようにお風呂やサウナの熱が怒りや悲しみの感情を取り除く効果があることを経験したことで、この映画は【救済】ごテーマなのではと考えたわけです。

またそう考えると場面の解釈がしやすいんですよね。


安藤くんがこの映画に出た理由は、そう言う深い意味が含まれていたからではないかと感じました。

確かに日本では安藤くんのフルヌードの話題先行の作品ではありますが、僕的にはこの自分の解釈で観ると安藤くんのあの儚げで哀愁を帯びた美しさが作品の中に存分に表れていて、それに加えて半ムケというリアル感も相まって、ホント良いものを観させていただきました。

てかあれだけの難解な表現に耐えられるのは安藤くんの存在感なしでは成り立たないでしょう。


ありがとうございます♪


そんでもってこんな夜中にレビューをブログに更新しているという。

ついさっき大きな地震があったにもかかわらず

僕はこのレビューを書き終えて満足顔でございます。


ご静読ありがとうございました♪


おやすみなさい🌙

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